俺を好きにならないで
「……はぁはぁ」


「あんた凄い汗だけど」


「り、りっちゃ……」


「何?」


「テ、テディベアは……どう?紀章くんに」


「あんたまさか。これを聞くために全力で走ってきたの?」



喉がカラカラに乾いて声が出にくかったため、縦に数回頷いて私の意思を伝えた。


まずはりっちゃんに確認!というのが私の中で優先事項だった。


もしりっちゃんが別のものを買おうとしているんだったらあの人にテディベアを渡そう。


だから待ってもらおう呼び止めたのだ。
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