俺を好きにならないで
「それでどこに行くの?」



特別な日。


彼にとっては普通のお出かけかもしれないけど、私は万全の準備をして臨みたい。



「んー。考え中」


「そうなんだ。あの……さ。私も一緒に考えてもいい?」


「うん。どこか行きたいところがあるの?」


「行きたいっていうか、クリスマスだし、イルミネーションとか見に行きたいなぁって」



カップルが行くような場所をチョイスしてみる。


少しでも恋人気分を味わいたくて。


ってそんなこと考えるなんて変態くさいな、私。


さすがにウザイよね?



「いいよ。行こう」


「え、本当?本当にいいの?」


「うん。美紅が行きたいなら」


「ありがとう」



家に帰ったらリサーチしておかなきゃ。


深見くんはどんなものを好むんだろうか。


考えるだけでワクワクする。
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