俺を好きにならないで
「何?」


「まつ毛」


「え?」



まつ毛?なぜ急にまつ毛?



「顔にまつ毛ついてる」


「うそ!ど、どこ?」



両手を使って顔のどこかに付いているであろうまつ毛を払い落とす。



「落ちた?」


「まだ」


「どこに付いているんだろう……」



自分の顔は自分では見れない。


鏡を取り出そうと鞄に手を伸ばしたところで、深見くんに止められた。


正確には手を掴まれた。
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