俺を好きにならないで
するとすぐに深見くんの体温を頬に感じた。


彼の手はとても暖かい。


目を瞑っているからか、動いている音がやけにはっきりと聞こえてくる。


今、私の近くにいるんだなぁとドキドキしながら終わるのを待っていた。



「美紅……」


「ん?」


「本当にしたら……ダメ?」


「本当にって何を?」


「キス」


「…………えっ!?」



彼の発言に思わず目を開ける。


すると至近距離に深見くんの顔があった。


少し前に動かせば本当にキスできそうな距離。
< 72 / 198 >

この作品をシェア

pagetop