俺を好きにならないで
「ダメ?」


「ダメってか、その、えっと。なんでまた急に!?」



驚きやら恥ずかしいやらで、顔が真っ赤に染まる。


それにどこをみたらいいのかも分からないから狼狽える。


とりあえず、私は混乱している。



「美紅が可愛いなと思って」


「か、かわっ!?」



可愛いとか言われて喜ばないはずがない。


好きな人に言われればなおのこと。


というか、なんで深見くんはこんなにも余裕なの!?


私すごく混乱して動揺しているのに!


そんな私をよそに彼の両手が私の頬を捉える。


色っぽい目。


普段の彼からは想像もできない獣のような視線。





「目を瞑って?」





「……っ」





ゆっくり、ゆっくりと目を閉じ…………れなかった。
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