ワンコ系Drの熱烈アプローチ
憧れを掴む第一歩
鮎川先生にお礼のメッセージを入れたあと、一人電車に乗り込んだ。
充電を万端にして出かけなかったせいで、メッセージを入れたあと、もう電源がもたなそうな表示になっていることに気が付いた。
バッグにしまったところでそのスマホがブルブルと震えだし、再び手にした画面には鮎川先生の名前が出ていた。
車内で通話に応じるのが躊躇われたけど、充電も残りわずかというのが気になり、人の少ない場所に移動して電話に出た。
連絡は入れたものの、勝手に会場を出てしまったことに気分を悪くさせてしまっていたらどうしようかと、通話に出ながら一瞬そんなことを考えた。
だけど、鮎川先生にそんな様子はなく、逆に謝られてしまったくらいだった。
結局、やっぱりギリギリだった充電はもたず、会話の途中で画面は真っ暗になってしまった。