ワンコ系Drの熱烈アプローチ


デンタルショーの会場で、たまたま見かけた衛生士学校のオープンキャンパスのチラシを手にし、毎週末開催の文字にちょっと覗きに行こうと思い立った。

というのも、その学校がデンタルショーの会場から電車で数駅で、ついでに寄れそうな近さにあったからだった。

少し学校を見に行って、また会場に戻れば、鮎川先生と合流できるかもしれない。

そう思ったのに連絡を取る手段を失い、仕方なく家へと帰った。


そして今、私はスマホを手に走っている。

帰って充電が復活したスマホには、鮎川先生からの着信が何度もあったことと、何件かのメッセージが入っていた。

私のスマホの充電が切れたことを知らない鮎川先生は、心配して連絡を入れてくれていたようだった。

あまりに連絡がつかず、最後に入っていたメッセージには、

【とりあえず帰るけど、連絡待ってるから】

と残されていた。

< 103 / 121 >

この作品をシェア

pagetop