ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「え、でもさ、田島先生が来たばっかの頃は、わーわーうるさかったじゃん、下村ちゃん」


鮎川先生の疑問に、優ちゃんも「うんうん、そうだよ」と同意する。


田島芽衣(たじまめい)先生は、うちに週二度きているフリーランスの歯科医師。

律己先生とは同じ大学で同期らしく、初めてうちに来た時は何者?!という感じだった。

というのも、誰も気軽に話しかけることもできない律己先生に対し、なんともフレンドリーに接していたのだ。

その雰囲気は、まるで私たちに見せつけるような、そんな風に私の目には映っていた。


私はあなたたちとは違うのよ。


単なる思い込みかもしれないけど、私には田島先生が心の中でそう思っているように思えた。


「それとこれは話が別物ですから。とにかく、律己先生と浅木さんなら私は文句ないんです」


きっぱりはっきりとそう言ってみたけど、優ちゃんも鮎川先生もイマイチ納得していないような顔をしていた。


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