ワンコ系Drの熱烈アプローチ


私に声が掛かったのは、そこにも理由があったようだった。

歯科助手をやっているから、話も合うだろうし、お願いと頼まれた感じだ。

会話を繋げて、場を取り持つ役割……といったところだろう。

夏海の役に立てるかはわからないけど、少しでも盛り上げ役になればいいかな、くらいの気持ちで承諾した。

だけど、合コンなんて今までちゃんとしたものに参加したことない。

変に浮かないように目立たないように、控え目に飲んでいれば大丈夫かな……?


「えー、ドクターかぁ。じゃあ退屈しなそうだね、数合わせでも」

「そうかなぁ……まぁ、飲んで食べてきますよ」

「律己先生みたいなドクターだったらいいね。あ、でもそれじゃあ会話が弾まないか」


優ちゃんはそんなことを言って笑う。

そんなタイミングで浅木さんがトレーを手に後片付けに入ってきた。

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