ワンコ系Drの熱烈アプローチ
「浅木さん、頑張ってるね」
浅木さんが消毒室を出ていくと、追加できた器具を洗いながら優ちゃんが言う。
それには「うん、そうだね」と即答していた。
浅木さんがうちに来てから、衛生士さんを指名する患者さんが増えた。
受付で次回の予約を取る時に、「また今日の衛生士さんにクリーニングをお願いしたい」と言っていく患者さんが多くいるのだ。
今までは、ドクター以外の指名システムは存在していなかったようなものだった。
だけど、浅木さんが来てからというもの『浅木』というカルテに記すための判子を用意したくらいだ。
「衛生士さんの仕事って、やりがいありそうだよね」
「うん、確かに。浅木さん見てるとそう思えるよね。なに、弥生ちゃん衛生士さんに興味でも出てきたの?」