ワンコ系Drの熱烈アプローチ
私が最後に訪れて、とりあえず一杯目のお酒を注文すると、簡単に自己紹介を交わした。
鈴の彼氏は歳上の二十九歳で、連れのもう一人の友達と鮎川先生の三人は、地元静岡での高校時代の同級生だということだった。
鈴の彼氏は企業に勤める会社員。
夏美の前に座るもう一人の友達は、銀行員だという。
鈴と鈴の彼氏を中心に盛り上がるその中で、私は少し遅れをとってお酒を飲み始めた。
それにしても、まさか鈴の彼氏の友達が鮎川先生だったなんて、未だに信じられない。
横で弾む会話を耳に、さっきやられたことをやり返すように足で鮎川先生をつつく。
ビールジョッキを口につけたまま、鮎川先生が正面の私に目を向けた。