ワンコ系Drの熱烈アプローチ
初めて浅木さんがうちに面接に訪れた日、受付に座っていたのが私だった。
緩く巻いたロングの髪をふんわりと編み込みにして一つに束ね、きれいなお姉さんというのが第一印象だった。
でも、うちに勤め始めて接してみると、助手の私たちに立場関係なく何でも聞いて頼ってくれ、控えめで優しい衛生士さんだった。
今まで辞めていった衛生士さんの中には、助手の私たちに冷たい人もいた。
あからさまに“私はあなたたちとは違うの”と、資格を持っているかいないかで偉そうにしている人もいた。
だから、浅木さんはそういう風に私たちを見たりしないし、私は浅木さんに好感を持っている。
辛口の優ちゃんも、浅木さんのことは好きだといつも言っているくらいだ。
「でも、一番喜んでるのは律己先生ですよね」
「えっ、な、何で、そんなことは……」
「いやいや、浅木さんがいない間、ちょっと不機嫌でしたよ? ね、弥生ちゃん」