ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「噂程度に聞いてたけど、実際に見たらショック受けちゃったんじゃないの、下村ちゃん」


グラスを手に取った鮎川先生の視線を横顔に感じる。

慌てて顔を向け、「いえ」と目を見て答えていた。


「ショックは受けてませんよ。衝撃は受けましたけど……」


今のこの感情は、ショックではないと思う。

ただ本当に驚いてしまって、自分の中でどう処理すればいいのかわからないだけだ。


「あそう。いや、あれだけ散々、毎日素敵だかっこいいだ聞かされてきたから、下村ちゃんがショックで寝込むんじゃないかと思ってさ、だからやけ酒でもしたいかなーって」

「やけ酒って……この前の昼休みも言いましたけど、私は別に、律己先生に恋愛感情があったわけじゃないですからね? お付き合いしたいとか、ドクターだし、私には雲の上の存在ですし……」

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