ワンコ系Drの熱烈アプローチ
そこまではっきりと口に出されて、やっぱりすごいことを言われていたことに気が付いた。
同時に、急に意識してしまったようにドキドキと心拍が乱れ始める。
頬まで熱くなってきてしまい、鮎川先生に向けていた顔を不自然に正面へと向き直していた。
なっ、な……何、この話の展開!
「下村ちゃん? おーい」
「えっ、な、何言ってるんですか? 飲み過ぎですか」
「え、全然普通だけど」
しれっと返ってきた言葉に、ますます顔の熱さは増す。
「こっち向いてよ」
「む、無理です……!」
この状況に困り果ててしまった私は、ガチガチに固まって動けない。
そんな私に、鮎川先生はいきなり横から手を伸ばし、顎を掴んで顔を振り向かせた。
「ずっと好きだったんだ。だから、考えてくれない?」
にこりといつも通りの笑みを見せ、鮎川先生は躊躇いもなくそう言った。