ワンコ系Drの熱烈アプローチ
「あれ、これ俺、断られちゃってる感じ?」
「ちがっ、違うんです! 私からしたら、鮎川先生だって雲の上の方なんです! だから、いきなりそんなこと言われても!」
好きだなんて言われて、完全にパニック状態の下村ちゃん。
俺がそんな風に思っていたなんて、全く予想もしてなかったという様子だ。
「雲の上って、何で。別に全くそんなことないけど」
「ありますよ! 私なんかに、そんな……」
「私なんかって……言っとくけどね、俺あの初日に電車で見かけた時から、下村ちゃんのこと密かに好きだと思ってきてたんだからね。今日いきなり気分で言ってるとかじゃないし」
包み隠さずストレートにそう言ってみると、顔を逸らしていた下村ちゃんがまた驚いたような顔をこっちに向けた。