ワンコ系Drの熱烈アプローチ
ちょっとちょっと、鮎川先生!
それ、言っちゃうの?!
てか、それ言っちゃったら、私といたこともバレるってば!
「み、見たって……あのっ」
思いっきり動揺しだす浅木さん。
浅木さんの背後から手をバタバタさせて口パクで「何で言ってるんですか!」と言ってみると、それに気付いた鮎川先生は私を見て笑みを作り直した。
「下村ちゃんも、昨日はどーも」
そう言い残し、受付へと向かって一人歩いていってしまった。
言うだけ言って鮎川先生が突散らかしていったせいで、浅木さんと私の間におかしな空気が流れる。
私へと振り向いた浅木さんは困ったような顔をしていて、咄嗟に「いや、あの、これには色々とわけがあって」とか、よくわからないことを口走ってしまっていた。