ワンコ系Drの熱烈アプローチ
「すみません……たまたま、なんですけど、浅木さんと……律己先生をお見かけしてしまいまして」
そう白状すると、浅木さんはやっぱり驚いた顔をして私の顔を凝視した。
「あ、でも、本当にたまたまで、私たちも驚いたというか、その……すみません!」
「ううん、謝ることじゃないんだけど、その……」
「あっ、内密にということなら誰にも言いませんし、大丈夫です!」
「あ、違うの。なんていうか……こういう形で知れちゃったのがというか……なんか、すみません」
「何で浅木さんが謝るんですか! 謝ることなにもないですし!」
力強くそう言うと、浅木さんは弱ったように笑って「ありがとう」と言ってくれた。
「あれ……でも、下村さん、昨日は合コンに行ったってさっき中田さんが」
浅木さんの言葉に、今度は私が思いっきり動揺をあらわにする番だった。