ワンコ系Drの熱烈アプローチ
「でも、鮎川先生、私はすごくいいと思うな。気さくで楽しいし、オシャレでかっこいいし」
そう言った浅木さんは「初めて診療室で会った時、この人ドクター?!って思っちゃったけど」とまたクスッと笑った。
「それは、私も思いました……」
「だよね。でも、私は入った頃、鮎川先生にはお世話になったな。困った時は色々教えてもらったりしてたし」
まだ浅木さんが律己先生を恐怖に思っていた頃。
鮎川先生は確かに浅木さんのことを気に掛けてあげていた。
進んで浅木さんに仕事を頼んでいたし、浅木さんが居場所がなくならないように気に留めてあげていたのは誰もが見ていて感じていることだった。
「優しい先生だよね。本当に」
「はい、そうですね」
「で、下村さんは鮎川先生のことどう思ってるの?」
「えっ……」