ワンコ系Drの熱烈アプローチ


どう思っているかと聞かれて、少し落ち着いていた鼓動がまた大きく跳ね上がった。


「どう、と言われると、正直、よくわかってなくて……今まで、全くそんな風に意識もしてなかったですし……」

「でも、その場で即御断りしなかったってことは、絶対にないってことではないわけだよね?」


そんな風に言われて、今度はわかりやすいくらい顔が赤くなるのを感じる。

困って俯くと、正面の浅木さんがクスクスと笑った。


「下村さん、可愛い」

「や、やや、やめてくださいよ!」

「じゃあ、真剣に考えてみてもいいんじゃないかな、お返事」


テーブルの上に置いてあった浅木さんのスマホがカタカタと震え、「あ、ごめんね」と浅木さんは電話を取る。

その姿を目に、鮎川先生のことを考えていた。

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