ワンコ系Drの熱烈アプローチ
「私は……学生の時に行った大学病院の実習で、律己先生に出会ってて」
「えっ、そうだったんですか?!」
「あ、うん。でも、全然気付かなくてね、私の方が」
「じゃあ、もしかして、その時から律己先生は浅木さんのこと?! 一目惚れ的な」
「いやいや、そんなことは! 気には掛けてもらってたみたいだけど……それで、津田さんのことがあって、それがきっかけで……」
“津田さん”とは、例の浅木さんをストーカーしたうちに来院していた患者のこと。
話を聞いていくと、浅木さんは残業した仕事の帰り、津田さんに待ち伏せをされて、それを律己先生に助けてもらったということを話してくれた。
それから、律己先生の住まいでお世話になっていたことも、その期間に律己先生に気持ちを告白されたことも打ち明けてくれた。
そしてやっぱり、その津田さんが事を起こした時も律己先生が浅木さんをかばって負傷したということだった。