ワンコ系Drの熱烈アプローチ
「あの、話してくれて、ありがとうございます」
「ううん、逆になんか私の話とかしちゃってごめんね」
「いえ! 聞けて嬉しかったです。何か、ご馳走様でしたというか」
そう言われた浅木さんは「ご馳走様ってなにー?」なんて言ったけど、そんな言葉がしっくりくる壮大な話だった。
危ない目にもあったからこんな言い方したら不謹慎かもしれないけど、何だかドラマか映画みたいな話だ。
二人にそんなことがあって今があるのなら、誰にも入り込む隙間なんてないと思った。
「でも、私なんかでっていつも思ってた。到底釣り合わないし、好きだと言ってもらっても、自信もなかったし」
「浅木さんも、ですか?」
「そりゃもちろんだよ。未だに思うこともあるよ」
それはまさに、今の私の心情そのものだった。
私も今、全く同じことを思って悩んでいる。