ワンコ系Drの熱烈アプローチ
「浅木さんが言うこと、何かすごいわかります。私なんかがって、思ってます」
「そっか……だよね。でも、鮎川先生はそうは思ってないんじゃないかな?」
「え……?」
視線を落としていたグラスの中から目を上げると、浅木さんは柔らかく微笑む。
「ただ、純粋に下村さんのことを想ってきて、それで打ち明けてきたんじゃないかなって思ったから。だから、もっと自信持っていいんだと思うよ」
力強く言った浅木さんは「って、私が言える立場でもなんだけどね」とへへっと笑う
。
浅木さんの放つほんわかした空気に癒され、思わずつられたように笑ってしまっていた。
「何か、ありがとうございます」
「ううん。何のアドバイスもできてない感じで……でも、話してくれて嬉しかった。私でよければ、また何でも話してね」
「あ、はい! また相談させてください」
「うん」とにこりと微笑む浅木さんを目にしていると、その向こうから見えてきた姿にハッと息を呑んでしまった。