ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「ちょっと下村さんの相談に乗ってまして」

「そうか、中段させたな」


律己先生が気を使うようなことを口にして、慌てて「いえ!」と横から口を挟む。


「もう終わりましたので、大丈夫です。浅木さん、今日はありがとうございました。私、もうちょっとしたら帰るので、行ってください」

「あ、そっか。じゃあ、お先に」


律己先生が現れてからの浅木さんは、普段は見られない緊張感を発していて、何だか可愛らしい。

席を立ち上がる浅木さんを見つめながら、つい笑みがこぼれてしまった。


「また月曜日にね」

「はい! ありがとうございました」


連れ立って店先へと向かっていく二人を眺め、その光景に一人ほんわか温かい気持ちになっていた。


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