ワンコ系Drの熱烈アプローチ
改札口から離れ、歩いていく鮎川先生についていく。
夕方、鍋をしようと言われてから、私の頭は受付業務をしながらもそのことでいっぱいになってしまっていた。
誘い方的に、どこかで食べようという言い方じゃなかった気がする。
しない?という言い方をするということは、まさか……そう思わずにはいられなかった。
駅から数分歩いて、私のそんな予感は見事に的中する。
連れていかれた先は、駅からほど近いデザイナーズマンションだった。
個性的な建物に目を奪われる。
一つ一つの部屋のテラスが不規則にせり出したような、かくかくしたコンクリート打ちっ放しの建物。
たぶん、五、六階建てくらいの高さだけど、その外観から正確な階数がわからない。
建物の周囲はきれいに整備された木々が植えられライトアップされていた。