ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「先生……何か私、スーちゃんに嫌われてるみたいなんですけど」


鮎川先生に言われた通りしばらくスーちゃんがご飯を食べるのを静かに見守っていた。

でも、スーちゃんは食べ終えると私に見向きもせずにまた鮎川先生の元に行ってしまい、体を撫でさせてもくれなかった。


「え? マジで?」

「マジです。プイって感じです」

「俺以外に構われることないからかもなー。ここに人が来ることってないし」


へぇ……そう、なんだ。

鮎川先生のことだから、人の出入りとか激しいのかと思ってた。


「はいはい、できた。スー、危ないからあっち行けって」


足元にまとわりつくスーちゃんを気にしながら、鮎川先生が土鍋を持ってキッチンを出てくる。

カウンターの向こう側にある円形の洒落たダイニングテーブルに煮立つ鍋を置くと、「座って座って」と声を掛けられる。

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