ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「あっ、何か手伝います!」


またキッチンに引っ込んでいこうとする鮎川先生に駆け寄ると、横に立った私を鮎川先生が見下ろす。

そして何を思ったのか、微笑を浮かべて私の頭の上のお団子に手を載せた。


「可愛い顔で見上げないの」

「……えっ?!」

「はい、座った座った」


心臓が飛び上がるように一気に跳ね上がっていた。

鮎川先生は何ともなさそうに私から手を離してまたキッチンに引っ込んでいってしまったけど、私はその場で数秒固まったように動けなくなってしまっていた。


「下村ちゃん、飲むよね?」

「……へっ、あ、はい!」


ドキドキいってしまっている鼓動のせいで返した返事が不自然になる。


「ごめん、うち女子が好きなようなのなかったわ」


そんなことを言いながらすぐに戻ってきた鮎川先生は、私の横を素通りしてテーブルにビールの缶を置いていた。

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