ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「にしても、いつから考えてたの? 今の仕事始めてから?」

「いや、それは、ほんと最近で……浅木さんがうちに来てからなんです」


訳を素直に話してみると、鮎川先生は再び箸を手に「へえ〜」と意外な答えが返ってきたというような反応を見せた。


「浅木ちゃんの仕事見てからなんだ。頑張ってるもんな」

「はい。何か、助手の私にはわからないやりがいとか、あるんだろうなって思って」

「そっか。いいと思うよ、俺は。たぶん院長も、相談したら賛成すると思うし」


鮎川先生は茶化さず真面目に私の話を聞いてくれた。

夜間に通える学校があると知り、なんとなくではなく真剣に考えてみようと思い始めていた。

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