ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「さっき言ってたの、これ」

「あっ、はい、ありがとうございます」


手渡された紙は、衛生士学校の夜間コース開設のお知らせだった。

【平素より】から始まる冒頭には、卒業生に対する挨拶があり、大学付属の歯科衛生士専門学校の夜間部についての説明が記されている。

入学を希望する人材の紹介をお願いする案内のようだ。


「普通コースと同じ三年制で、ほら、授業は夕方の五時過ぎからっぽい」


私の手にした紙に指を差して、学部案内の授業時間について鮎川先生は説明をしてくれる。

見ると、確かに夕方から授業が始まり、二十時過ぎに終わるカリキュラムのようだ。


「実習とかも、夕方から行く感じになるのかな、たぶん」

「そうなんですね……」


鮎川先生がさっき言ってたみたいに、朝から仕事に出て、夕方から学校に行くスタイルを院長が了承してくれれば、衛生士学校に通うのも不可能ではないかもしれない。

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