ワンコ系Drの熱烈アプローチ
「ありがとうございます。これなら、私にも学校に行くことができなくはないってわかりました」
「うん。もしその気があれば、学校、紹介するし」
「はい! ありがとうございます」
紙面から顔を上げ、となりに目を向けお礼を言うと、鮎川先生はにこりと笑ってじっと私の顔を見つめてくる。
そして急に、両手で私の頬を包み込んだ。
「だから、さっきも言ったけど、そんな可愛い顔しないの」
「えっ、いや、そんなことは……!」
触れられた頬が一気に熱を持って火照っていく。
なぜか、いつも病院で見ている白衣を着た鮎川先生がふっと蘇ってきて、急激に恥ずかしさが増してしまった。
どこか中性的な、時折可愛らしさも見える鮎川先生の綺麗な顔。
二重の印象的な目が、じっと私の目を捕らえて離れない。