ワンコ系Drの熱烈アプローチ
「急かさないって言ったけど、やっぱり我慢できないから聞いていい?」
「え……?」
「この間の返事。少しは考えてくれた?」
「あっ……」
動揺しっぱなしの私を目に、鮎川先生は口の端を吊り上げる。
これ以上間近で見られるのが苦しくなってきて、頬に触れたままの鮎川先生の両手首を掴んでいた。
「考えました。でも、私と鮎川先生とじゃ、色々と、その、釣り合いが取れない……と言いますか」
「釣り合い? 何だそれ」
「何だって、そのまんまの意味ですってば!」
「じゃあ、そんなの気にすんなって言ったら、オッケーってこと?」
そんなことを投げ掛けながら、鮎川先生は自分の膝の上に乗っているスーちゃんを抱き上げ、ソファの下に下ろす。
スーちゃんが鮎川先生の顔を尻尾を振って見上げていた。
「それ、は……」