ワンコ系Drの熱烈アプローチ
いつも軽めな口調の鮎川先生が、真摯な声音で囁きかけてくる。
それだけでキュンと心臓が震えて、どうしようもないくらい胸がときめいていた。
背中に回っていた手が肩に触れ、密着していた体を離そうとされる。
顔を合わせるのが急激に恥ずかしく感じて、咄嗟に自分から鮎川先生の体に両腕を回していた。
「待ってください、今、無理です」
あからさまに恥ずかしさを露わにした私を、すぐ上でフッと笑う鮎川先生。
顔を隠すようにしてくっついた私を引き離した鮎川先生は、意地悪な微笑を浮かべて私の顔を覗き込んだ。
カッと顔面温度が急上昇する。
至近距離で目が合うと、恥ずかしくて消えてしまいたくなった。
「結構、意地悪なんだよね、俺」
「や、やだ、見ないでください!」
「何で? 赤くなってる下村ちゃんも可愛くてヤバい」
「だから、それが嫌なんですって――」