ワンコ系Drの熱烈アプローチ


抗議の言葉は、声を遮るように重なってきた鮎川先生の唇に奪われていた。

唇を挟むように押し当てられたキスに全身が硬直してしまう。

同時に腰に回った手に体を引き寄せられて、鮎川先生の胸元を両手をついていた。


「……ごめん。我慢できなかった」


心臓が壊れそうな音を立てて高鳴っている。

初めて聞く鮎川先生の甘い声も、強く抱き寄せる腕の強さも、私の知らなかった新たな一面。

今までの関係より一歩進んでしまった状態に、戸惑いが胸をいっぱいにしていく。

でも、少しも嫌だと思っていなかった。

ドキドキとはしている。

だけど、それは心地いい高鳴りで、私の全てを包み込んでいく。

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