ワンコ系Drの熱烈アプローチ
そう言った鮎川先生の微笑が再び迫ってきて、緊張の息苦しさを感じながらそっと目を閉じる。
もしかしたら、このまま……。
そんな予感に一抹の不安が心を掠めた時、突如顔面に衝撃が走った。
「わっ!」
驚いて目を開くと、私と鮎川先生の間にスーちゃんが割り込んでいた。
どうやら、私の顔面にスーちゃんが突撃してきたらしい。
思わぬ邪魔が入り、二人して笑ってしまった。
「スーに止められたし、この先は、下村ちゃんが好きになってくれてからにしとく」
どきりとすることを言われ、スーちゃんから不意に上げた視線の先、鮎川先生に微笑みかけられる。
返答に困ってもじっとする私の耳元に近付くと、鮎川先生は「本当は、早く俺のものにしちゃいたいんだけど」なんて、内緒話をするみたいに囁いた。