ワンコ系Drの熱烈アプローチ
貴重な言葉を聞いたからかもしれない。
普段、感情を見せない姿を見ているからこそ、その一言に深みを感じる。
何だかドキッとしていた。
「これからも、それは変わらない」
副院長の視線が、向こうでパフェグラスをつついている浅木ちゃんを捕らえる。
その横顔は自然と穏やかさを滲ませていた。
「……悪かったな。プライベートなことに口を出して」
「いや、全然いいっよ。むしろ……」
「……?」
「ちょっと、嬉しかったです」
そう言ってみると、副院長はわからないほど微かに笑みを浮かべる。
そして、席から立ち上がりながら俺の肩を景気付けるようにポンと軽く叩いていった。