ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「やっぱりそうだ!」という声と共に駆け寄ってきたのは、三人の女性グループだった。

少し綺麗目な、オフィスカジュアルといった格好をした、いかにも仕事ができそうな雰囲気の人たち。

首から下げるホルダーには、揃って『歯科衛生士』の文字があった。


「お久しぶりです!」

「先生も来てたんですね、お元気でしたか?」


口々に再会を喜ぶ声を上げる三人。


「おー、久しぶりじゃん。みんな相変わらずだな」


やってきた三人に、鮎川先生も笑顔で言葉を掛ける。

取り残されたようになっていた私に、鮎川先生は気遣うように「大学の小児歯科にいたときに一緒にやってた、衛生士の子たち」とちらっと知らせてくれた。

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