ワンコ系Drの熱烈アプローチ


「そう、うちのとってもできる助手さん。今のとこでは俺の先輩だからね」


居づらくなりかけた私の心情を悟ったように、鮎川先生はそんな言葉を付け加えてくれる。

気を使わせてしまったと思っていると、「そうそう、鈴木先生たちも来てますよ」と、一人の衛生士さんが明るめなトーンで話題を変えた。


「え、そうなんだ。一緒に来たの?」

「はい、たぶんその辺に……あ、いた、鈴木先生!」


再会を喜ぶ雰囲気が高まり、横から静かに鮎川先生の腕をつつく。

呼ばれた先生が近付いてくるのを目にしながら、私を見下ろした鮎川先生に視線を上げた。


「あの、私、適当に見てるんで、先生は皆さんと……久しぶりのようですし」

「え、でも」

「私は大丈夫なんで、あとで連絡してください」


引き留めようとする鮎川先生に笑顔で頷き、その場をさり気なく離れていく。

すぐに背後から「鮎川、久しぶり!」と、やってきた元職場の先生の声が聞こえてきた。

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