無慈悲な部長に甘く求愛されてます
「じゃ、ごはん食べよー!」
良美さんの一声で、私たち六人は食卓を囲んだ。
陸人さんと冴島さんにすすめられて、私もビールをいただく。
「あきなちゃんは飲めるんだっけ?」
良美さんからコップを受け取って、彼女は艶っぽく笑った。
「飲めますよ今年から。賢人さんについでほしいなー」
「はいはい」
催促される形で、冴島さんが私とは反対側のとなりに座る彼女にビールを注ぎ入れた。
大河くんの幼稚園の話やお店の話、陸人さんがパティシエになったいきさつなどを聞きながら、食事は楽しく進んでいく。
陸人さんと冴島さんはお酒が強いらしく、ビール瓶はあっというまに空になり、いつのまにか別の酒瓶がテーブルに置かれていた。
あまりお酒に強くない私は途中からお茶に切り替えたけれど、どうやらまだ自分の飲酒ペースがわかっていないらしい明菜ちゃんは、彼らのペースに引きずられるようにお酒を飲んでいて、すでに目が据わっていた。