無慈悲な部長に甘く求愛されてます
今日だけで何度ついたかわからないため息が、またこぼれる。
「どうしよう。仕事が全然手につかなくて、本当に困る」
このままじゃ何か大きなミスを仕出かしてチームのメンバーに、延いては冴島さんに、多大なる迷惑をかけてしまうかもしれない。
「それは自分でどうにかできないことなの?時間をかければ自力で解決できるとか、そういう類じゃないってこと?」
私は首を振った。
「相手があることだから……」
「そう。だったら切り離すしかないわね」
真凛は淡々と言う。
「心を乱すような出来事が起きても、仕事中は割り切る。そうでなきゃ仕事と恋愛なんて両立できない」
思わず振り返った。
彼女は口紅を引きながらつまらなさそうに続ける。