無慈悲な部長に甘く求愛されてます
頭が回らなくなって、余計なことを口走ったり、挙動不審になったりするかもしれない。
ヘタをしたら、妙に勘の鋭いところがある宮田くんに、私の気持ちがバレてしまう。
ぺこりと一礼して、私は大慌てでデスクに戻った。
息ができないくらい心臓がばくばく響いている。
しばらく冴島さんから距離をとっていたから、ほんの一瞬向かい合っただけで胸が破裂しそうだった。
なにこれ、泣きそう。
久しぶりに交わした言葉はとても会話とは呼べないものだったのに、私の心を乱すには十分だった。
冴島さんと、もっと話がしたい。
彼のぬくもりを、感じたい。
もう一度、キスしてほしい。
頭の中が、冴島賢人でいっぱいになっていく。
我慢していた反動に今にも飲み込まれそうで、私はきつく目をつぶり、激しい衝動が去るまでじっと耐えた。