無慈悲な部長に甘く求愛されてます
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「本当に、申し訳ない」
ソファに座った私の前で、正座したサンタクロースがうなだれている。
彼がいまだにサンタのコスチュームをフル装備しているせいで、私は一瞬、自分がサンタクロースに説教でもしているような気分になった。
「いえ、もう大丈夫なので」
お店の奥にあった自宅に通された私は、洗面所を借りて洗顔し、元のクリアな視界を取り戻している。
さりげなく室内を見回すと、サンタの向こうにはダイニングテーブルとカウンターキッチンがあり、壁に家族の写真がたくさん貼られていた。
「あの、さっきの男の子は……?」
部屋の隅に積まれたおもちゃを眺めながら尋ねると、サンタは二階を見上げるそぶりをした。
「大河(たいが)なら、良美(よしみ)さんが寝かしつけてる」
私に視線を戻し、申し訳なさそうに言う。