無慈悲な部長に甘く求愛されてます
もしかして休日出勤の打診だろうか、と思っていると、部長はそっけなく言った。
「そのまま空けておくように。午後一時に迎えに行く」
言われた意味がわからず、私は首をかしげる。
「迎えって……どこに?」
「君の家に」
「え!?」
私に視線を留めたまま、部長は続けた。
「家の前に来られるのが嫌なら、フルーヴまで来てくれ」
「ま、待ってください。あの、仕事の話ですよね……?」
「いや、仕事じゃない」
「え、それじゃあ……」
「わかったな?」
念を押すように強い視線で私を見つめ、部長はドアの外に出ていった。
「なに……?」
わけがわからないまま、ぽかんと口を開けてしまう。
ひとり残されたミーティングルームで、私はしばらく立ち尽くしていた。