無慈悲な部長に甘く求愛されてます
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執務スペースのとなりにあるミーティングルームは、全面ガラス張りで会議室よりも開放感がある。
12席ある椅子に座っているのは、営業部門と生産部門のメンバーたちだ。
ずらりと並ぶスーツの背中に圧倒されつつ、私は宮田くんに頼まれて印刷したばかりの資料を各席に配って歩いた。
「ここにある資料のとおり、ホワイトリテイリングは近年PB商品に力を入れています」
宮田くんの堂々とした声がミーティングルームに響く。
しょっちゅう愚痴を言っているし、部長から叱責を受けることも多いけれど、基本的に彼は仕事ができる人間だ。
池崎さんもそうだけど、精鋭部隊のメンバーはみんなほかの会社に行ったらそれぞれがエースを張れるくらいの実力がある。
「この自主企画商品を請け負うことができれば、大慶食品の稼働率は飛躍的に向上します」
宮田くんの発言で、ミーティングルームはざわついた。
「ホワイトリテイリングって最大手だろ。いくらなんでも……」
「いや、城木社長と懇意ならどうにかなるかもしれない。あの人はうちに協力的だし」
「大慶食品の商品そのものは優れてるから……」