君の好きな人になりたい
「お前メイドするんだよな?」

私と悠人はその後、ワッフル屋さんへ行って学園祭のことについて話していた。

「うん、成り行きでそうなっちゃった」

「どうせ、ハッキリ断れなかったんだろ」

「うん、恵も巻き込んじゃってなんか悪かったかも」

「まぁ今更どうこう言ってもあれだしな。いいじゃん、お帰りなさいませ、ご主人様ってちゃんと言えよ?」

こいつ絶対面白がってる。顔が楽しそうなんだもん。私は怪訝そうな顔をして悠人を見つめる。


「そんな顔すんなってブサイクになるぞ」

そう言って私の頬を両手でビョーンと引っ張り、私を見つめ、

「あ、ブサイクがもっとブサイクになったごめん」なんて言ってくるから、かかとで悠人の足を踏んづけた。


「イタタタァァっ、お前遠慮なさすぎ」


「悠人が悪い!」


「はい、わるんござんした。ほら、これ食べていいから拗ねるなって」


そう言って自分のワッフルを私に差し出してきた。


拗ねるなって、悠人のせいだけどね、

なんて思いながらワッフルを頬張る。


「お前って単純だな、将来詐欺とかにひっかかるなよ」


悠人の言うことには耳も傾けずに、私はワッフルに夢中。

んーやっぱ美味しい。










「あ、そーいえばさ、」

思い出したように悠人が言った。

「学園祭の空き時間一緒にまわんない?」




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