君の好きな人になりたい
話しかけてきたのは、悠人がよく一緒にいる中村要。
誰にでも平等に優しくて、彼独特の雰囲気を持っている。たまに全てを見透かしたような目をするのが苦手だ。
黒髪の短髪に切れ長の目。目の横の涙ボクロは彼の大人っぽさをさらに引き立てている。
「私達はそんなんじゃないから、ね。」
「まぁ、そうだな。俺たちが恋人とかありえないよな。幼馴染だし」
「ふーん、そっか」それだけ言うと中村くんは席から立ち上がり去っていった。
ふーん、そっか、って何考えてるのかやっぱり読めないなぁ。
相変わらずミステリアス。まぁ、そこが中村君のいいとこなのかもしれないけど。