君の好きな人になりたい
「それなら、悠人と桃が付き合えるように協力して欲しい!」

私は動揺した。

がしっと私の肩を掴み、凄い目力で言ってくるから、気づいたら首を縦に振っていた。



「ありがとう!!!」

「うん」

「あのさ、今度学園祭あるやん?もちろん私からも一緒にまわろって誘うんだけど、もし悠人に誘われたら断って欲しいの」


私の心とは裏腹に桃ちゃんの目はいつもよりキラキラ輝いているように見える。




そういえば一緒にまわろって誘われたんだった。


一緒に回りたい。


桃ちゃんと二人でなんか回って欲しくない…




やっぱり私、悠人のことが好きなのかも。
今、悠人への想いに気付くなんて、私って本当にバカだ。



でも、ここで断ったら変だよね?私は悠人のこと好きじゃないって言ったんだし…




「わかった、そうするね」

「ありがとう!」



ほんとに何してるんだろう。


感情と行動が伴っていない自分に腹が立ち、同時に胸が締め付けられた。



どうしよう。



私これからどうすればいいんだろう。


初めて抱いた感情に明菜は戸惑っていた。





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