君の好きな人になりたい
トイレへ着き鏡を見ると、今にも泣き出しそうな自分が写っていた。

「はは」

乾いた笑い声がトイレで響く。



はぁ。

なんでこうなっちゃったんだっけ…

あぁ、全部自分のせいだ。





瞳に溜まっていた涙が溢れ出す。



もう、本当に嫌だ。

嫉妬と悲しさ、自分に対する怒りが心をグルグル渦巻いている。


明菜は瞳から出てくる涙を指でぬぐい、しばらくトイレの鏡の前で突っ立っていた。








あー、どのぐらいぼぅーとしてたんだろう。


そろそろ戻らないと1時間目始まっちゃうかな。

目赤いけど泣いたのバレないといいな。



パチパチと自分の両頬を叩き教室へ向かった。




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