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強がり/不安
佑也は強がりだし、優しいし、頑固だから、消して涙を見せなかった。いつもの笑顔の裏に、どれほどの涙があっただろうか。
頭は悪かったけど、部活が、テニスが好きで一生懸命だった。
検査の度に立ち上がって、フォームをとっていた。
そんな中でも、時間は恐ろしく忠実で、確かに刻まれていた。
病院に行っても、会えない日が増えた。
病院の公衆電話からの電話。
受話器越しに君の声。
無理をしているのが手に取るように解るのに、“無理しなくていいよ”とは言えなかった。
『来たんだって?ごめんな、検査で……』
そう言う佑也に、“どうだった?”すら聞けなかった。
『検査の結果がいつもよりよかったんだ』
嘘。
佑也は元々、嘘が吐けない人だったからすぐに分かった。
それでも、佑也の精一杯の嘘に、あたしも嘘を重ねた。
「当たり前だろ!」
頭は悪かったけど、部活が、テニスが好きで一生懸命だった。
検査の度に立ち上がって、フォームをとっていた。
そんな中でも、時間は恐ろしく忠実で、確かに刻まれていた。
病院に行っても、会えない日が増えた。
病院の公衆電話からの電話。
受話器越しに君の声。
無理をしているのが手に取るように解るのに、“無理しなくていいよ”とは言えなかった。
『来たんだって?ごめんな、検査で……』
そう言う佑也に、“どうだった?”すら聞けなかった。
『検査の結果がいつもよりよかったんだ』
嘘。
佑也は元々、嘘が吐けない人だったからすぐに分かった。
それでも、佑也の精一杯の嘘に、あたしも嘘を重ねた。
「当たり前だろ!」