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一言/涙
たった一言。あたしは佑也を傷つけた。

久しぶりに集まって、全員で佑也に触れた。

家庭でも学校でも、何もかもボロボロだった日だった。我慢できなかった。

4人の前で。
佑也の前で。

あたしは泣きながら言った。

「死にたい」

佑也も泣きながら言った。

「何かあったんか?お前の分も、俺が泣いたるぞ?」

殴られると思った。殴られたかった。佑也の、力の入らない手に気付いてしまって、涙が止まらなくなった。
少し前、あたしを殴った佑也の拳の痣が、なかなか消えなかったのを覚えてる。ずっとパジャマの裾で隠してたけど、気付いてたんだ。
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