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時間の停止/救世主
佑也が亡くなってからの5回目の誕生日を迎える頃、思ってもいない出来事。

ずっと連絡を取っていなかった隆平から電話が来た。
忘れもしない、雪はまだ降らない冬の始まり。

『もしもし、まい?』

少し声が震えていて、それを隠すような感情的な口調は、何かを予感させた。

「うん?どーしたの?」

『駿平が……』

沈黙が続いた。
ある訳ない、と思っていた想像もしなかった現実。鼻をすする隆平の涙混じりの吐息は受話器から伝わった。
未来を怖れたあたしに続きを強要することが出来なかった。

隆平の一言。
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