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車を降りてドアを閉める。
助手席の窓が開いて、隆平の一言。
「じゃーな、バイバイ」
最後、って言うのに弱くて、必死に隠して笑って手を振った。
「バイバイ……ちゃんと帰れよ」
繋ぐ言葉に『またね』は禁忌。最後くらいちゃんとしようって思った。
でも、最後に言いたかった。
閉まりかける窓をこじ開けるように呼びかけて、これで本当に最後の本音。
「りゅーちゃん!あたしが人生最大の大恋愛話したとき、りゅーちゃんが言ってくれたこと忘れないよ!嬉しかったんだよ!」
隆平は少し笑った。
「麻衣さ、自分のこと“あたし”って言う方が似合ってるよ」
それから隆平はあたしから視線をそらして、窓を全部閉めた。
もう、何を言っても聞こえない。
だから、聞こえない本音、『好きになりそうだったよ』。
窓越しに手を振って、隆平の車が見えなくなってから泣いた。
家にはまだ帰りたくなくて、家の近くの学校の前庭で泣いた。何年か前と似てる。
似てるのは、同じじゃないのは、きっとあたしが成長した証。
助手席の窓が開いて、隆平の一言。
「じゃーな、バイバイ」
最後、って言うのに弱くて、必死に隠して笑って手を振った。
「バイバイ……ちゃんと帰れよ」
繋ぐ言葉に『またね』は禁忌。最後くらいちゃんとしようって思った。
でも、最後に言いたかった。
閉まりかける窓をこじ開けるように呼びかけて、これで本当に最後の本音。
「りゅーちゃん!あたしが人生最大の大恋愛話したとき、りゅーちゃんが言ってくれたこと忘れないよ!嬉しかったんだよ!」
隆平は少し笑った。
「麻衣さ、自分のこと“あたし”って言う方が似合ってるよ」
それから隆平はあたしから視線をそらして、窓を全部閉めた。
もう、何を言っても聞こえない。
だから、聞こえない本音、『好きになりそうだったよ』。
窓越しに手を振って、隆平の車が見えなくなってから泣いた。
家にはまだ帰りたくなくて、家の近くの学校の前庭で泣いた。何年か前と似てる。
似てるのは、同じじゃないのは、きっとあたしが成長した証。